仲村比呂のブログ

Written by Nakamura Hiro

本屋さんで本を買っていますか?

   本が好きな人は誰でもそうでしょうが、本屋さんがとにかく好きです。
 

 それも、入った途端に圧倒されるような大型図書館であればあるほどいいです。
 欲を言えばいくつかの階に分かれているビルよりも、平屋になっていると尚更いいです。
 

 さらに欲を言えば、あまりにも美術館のように整然と展示されておらず、お客もある程度入っていて、少しカオス的になっていると最高です。
 

 私は、何もない時にも良く行きますが、特に悩み事があったり、何となく気持ちがささくれ立ったりしたときには、意図的にこうした大型本屋(書店)に出かけるようにしています。
 

 そして、本のジャングルの中をあてどもなく彷徨います。入り口にある雑誌コーナーから始まって、後は気が向くまま、新書、啓発本から、写真集、漫画、サブカル、医療から法律まで分野を決めずに、とにかく目に付いた本を片っ端から手に取っては、パラパラとめくっていきます。
 

 そこで目にとまった箇所だけを流し読みをします。そして気に入ったら、その本題名を覚えてひとまず棚に戻す。これをひたすら繰り返します。
 

 そして、帰り際でも頭に残っている本だけを買うことにしています。
 本選びは基本的にはフィーリング勝負だと思っています。売れているからとか、聞いたことがあるから、誰かが宣伝しているといった観点からも選びません。
 値段すら関係ありません。レジに出して会計が終わってから、びっくりするぐらい高額だったことに気がつくのもたびたびです(特に法律の専門書や写真集)。
 

 しかし、後から少し無駄遣いしたと思っても、悔いたことは一度もありません。
 こうして本を買うにしろ、買わないにしろ、本屋の中を何周もしていると、無意識に悩みごとに合った本を手にしているのか、解決方法が突然浮かんだり、回った後、自然にすっきりしてしまったりすることも多いです。
 

 時には、物語の着想が浮かぶこともあります。
 ここで他の本好きと少し違うのは、本屋が好きだからといって紙の本ではなくてはいけないということです。
 

 よく紙ではないと読んだ気がしない。紙の香りが好き。
ページをめくるの感触が好き等々、紙の本好きの方々の好みもよくわかります。
 しかし、私の場合、基本的に今は電子書籍です。
 家にある既存の紙の本も、気に入っているものは、随時電子書籍に買い換えています(スキャナーで読み込んで、自作で電子書籍を作る〝自炊〟は紙の本が可哀想なのでやっていません。ですから、自宅の本棚は電書化されていないものばかり並んでいます。
 

 ということは・・・ここまで読まれてうすうす感じられると思いますが、本屋ではほとんど本を買っていません(なので専門書や写真集ばかり)。
 

 そうなると、本屋にとって私は迷惑なお客かもしれません。
 この電子書籍ですが、しばらく読むための専用タブレットを使っていましたが、そのためだけに持ち運ぶのが面倒なので、多少目が疲れてもスマホのアプリに一本化しました。
 

 しかし、時々ふと思うのです、手のひらに入るたかが一台のスマホに、読み放題の本を含めると、何千冊という本が入っていることに驚かされます。
 つまり、それはちょっとした図書館を持ち歩いていると同じと言うことに。
 

 確かに紙の本がぎっしりと詰め込まれた本棚に囲まれているような書斎があって、その中で日がな一日読書すると生活に憧れますが、このミニ図書館を常に携帯しているという感覚の方が自分にはとても合っています。
 

 いつでもどこでも一瞬の内に好きな本が読める。こんな素晴らしいことはありません。便利な世の中になったものだと素直に感激しています。
 

 話は少し変わりますが、デパートに勤める友人の話によると、若者がバーゲン以外に服をまったく買わないそうです。
 

 服を実際手にしたり試着したりしても、それは買わずにそのまま帰ってしまうそうです。 
 つまりデパートで下見をして、自宅からネットで買うのです。ネットですと、お店にないサイズや色を指定することができますし、家まで運んで来てくれる。いらない紙袋も残らない。
 

 これはつまり、デパートが服を売る店ではなく服のショールームになってしまったということでしょう。本屋も同じかもしれません。本屋で見て電子書籍を買う。
 

 そして、これは本や服などに限ったことではなく、今後家具や車などに広がっていく現象でしょう。
 常日頃から紙の本をたくさん買う私ですら、本屋で下見して電子書籍を買うぐらいですから、若者はもっとこの傾向が強まっていると思います。どうりで本屋がつぶれるわけです。
 

 でしたら、本屋が好きな電子書籍派はいったいどうしたらいいのでしょう。このまま本屋がなくなっていくのを指をくわえて、黙って見ているべきなのでしょうか。
 これは個人的なアイデアですが、その本屋で選んだ電子書籍を買うと、その本屋に還元されるシステムがあるといいと思います。
 

 例えば、本の裏にQRコードなどが貼ってあり、そこから電子書籍を買ったら、本の価格の何パーセントかは、その本屋に入る仕組みなどどうでしょう。それでしたらショールーム化した本屋も儲かりますし、本屋もつぶれないでしょう。
 

 本屋のわくわく感。これは何事にも代えがたいものなので、本屋さんには絶対にいつまでも残って欲しいです。
 ともかく、いつか年老いて、あまり遠出できなくなったら、絶対に大型本屋のそばに住みたいと思っています。
 

 そして日がな本のジャングルに遊びながら、あてどもない思いに浸っていたいと思っています(迷惑な客ですみません。たまにはちゃんと買います)。
 

 本屋はとても好きですが、図書館も別の意味で好きな仲村でした。
 ではまた

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