仲村比呂のブログ

Written by Nakamura Hiro

やっぱりアップルなのか?

 このブログはジャストシステム社の一太郎を使って書いています。パソコンは昨年度買ったマイクロソフトのサーフェスプロです。

 本心では机の前に鎮座する。iMacで書きたいと思ってきました。さらにはその脇にノートパソコンのMacBookもあります。携帯電話はiPhoneです。まさにアップルの製品に囲まれている。傍から見るとアップル好きに見えるでしょう。

 しかし、サーフェスです。なぜなのかそれは単純に「一太郎が使えないから」です。昔はマック用の一太郎があったみたいですが、今は販売されていません。

 一太郎は日本語ワープロとしては最高だと個人的に思っています。ですから何とかしてマック環境で一太郎を使えないかと苦心してきました。iMacの中でパラレルというソフトを使って、仮想領域を作り、ウインドウズを入れてみたこともあります。

 しかし、これを読まれている人の中にも同じ経験をした人がいると思いますが、いくらiMacが最高スペックだとしても、ウインドウズの更新のたびに、紀元前のパソコンのように遅くなり、時にはフリーズしたりと挙動不審に陥りました。そのストレスや我慢の限界を超えました。

 そして、結局のところ一太郎を選ぶか、マックを使うかの選択を迫られて、マックを使うことを選びました。そこで改めて一からマック専用のワープロアプリを探し始めました。ワード、村上春樹氏が使っていたというegword Universal2、itext、Scrivener、Hagoromo、などなど。いいと思ったものを次から次へと試してみました。

 しかし、いずれも一長一短。トータルの完成度の一太郎には及びませんでした。どこが致命的に違うのか、それは縦書きの文書スタイルがうまくいかないに尽きます。

 ページ送りがカクカクしたり、連続表示されなかったりと、自分のやり方が悪いだけなのかもしれませんが、どうにも上手くいかないのです。いずれも試しては挫折を繰り返しました。このソフトの選別だけで多大な散財と、時間を費やしました。

 そして、ついにマックで執筆は諦めることにしました。完全撤退です。しかしウインドウズ環境でと決めれば後は簡単です。一番デザインがいい、マックに近い今のサーフェスがすんなり決まりました。

 ですから今は、机の前の美しいiMacとMacBookを横目に眺めながら、サーフェスのキーボードを打っている状態です。そして、時々なんだか無性に空しい気持ちに襲われます。

 それでは、そもそもなぜアップルの製品が好きになったのか、ありふれた理由ですが、それはスティーブジョブスが好きだからです。 彼の偉大さは、ジョブス信者のブログに譲るとして、自分が一番好きなのは、かの有名なスタンフォード大学の卒業式での演説です。

 「ハングリーであれ。愚か者であれ。」というフレーズが有名ですが、私が特に感動したのは、「本意でない人生を生きて時間を無駄にしないでください。ドグマにとらわれてはいけない。それは他人の考えに従って生きることと同じです。他人の考えに溺れるあまり、あなた方の内なる声がかき消されないように。そして何より大事なのは、自分の心と直感に従う勇気を持つことです。あなた方の心や直感は、自分が本当は何をしたいのかもう知っているはず。ほかのことは二の次で構わないのです。」という部分でした。

 このスピーチが有名になった2005年当時は、それほど心に響きませんでした。しかしあれから15年たち、改めてこのフレーズを聴いた時、はっと目が覚めたのです。ああ、小説を書こうと。文学は素晴らしいということを恥を忍んで叫んでいこうと。

 そして、それを伝えるために、以前は見向きもしなかったブログを始めることにしたのです。SNSも手をつけました。

 アップルの製品を見ると、この気持ちを常に思い出させ奮い立たせてくれるのです。こういうある人の思想性と道具と芸術性が一体となったものは、これまで見たことがありませんでした(車も同じかもしれませんが)。

 せっかく生きるのならこういったものに囲まれて生きていきたいと思わせてくれました。

 つまりアップルの製品には、スティーブジョブスの気持ちや思いが表れているからこそ好きになったのです。私の知っている中では、日常の道具を芸術化した初めての人でした。

 もちろん、これまで工業製品で美学を持ち込んだものがあるかもしれません。しかし、あれほど徹底的に突き詰めて、新しい世界を作り上げたのは彼が最初だと思っています。

 そこには、以前触れたウォルト・ディズニーと似たところがあると思います。自分が見た最高峰の世界をどれだけ現実に落とし込めるのか。普通の人が思っている以上のレベルを提示する。そのことがとにかく素晴らしいのです。彼のことを変人ですとか完璧主義者とか、言われることがありますが、あの製品で全てチャラになると思います。

 周りに溢れているものでも、人を感動させるものを作り得る。それを教えてくれました。だったらほんの小さな言葉でも、気持ちがこもっていれば世界を変えることができるということです。長い物語なら、もっと多くの人の気持ちを変えられるかもしれません。

 アップルの製品を使っていると、こうした気持ちを持って、決して気を抜くなと言われているような感じがします。

 と言いながらも、最近サーフェスのデザインもまんざらではないなあと思いつつある私でした。
 ではまた