仲村比呂のブログ

Written by Nakamura Hiro

犬を飼ったことがありますか?

 犬をずっと飼いたいと思っています。しかし、今はペット不可の賃貸マンションに暮らしているために、ずっと飼えないでいます。

 それでも、何とか飼えないかと思って、賃貸契約書を見直すと、はっきりとペット不可(犬、猫等)とありましたので、今度ばかりは完全に諦めました。

 しかし、そこで、ある疑問が湧いてきました。こういう書き方だと、犬、猫はとにかく駄目だとしても、蛇だったらいいのだろうか、鳥のフクロウはいいのだろうか。極端なことを言えば、金魚はだめなのか、亀はだめなのだろうか、一体ペットとはどこまでオッケーなのだろうかと。

 そこで、ペットという字で辞書を引くと、一般的には愛玩を目的として飼育される動物のこととあります。

 この定義からすると、魚類なので金魚はOKになります。

 一般的に言って、ペット不可のマンション暮らしの人でも、金魚鉢で一匹の金魚を飼っていたり、ハムスターを飼ったりしている家は案外多いと思います。

 おそらくペット不可と言えば、一般的に金魚やカブトムシはオッケーで、ハムスターは不可ということになるでしょう。

 しかし、今度は動物と辞書で引くと、生物を二大別したときに、植物に対する一群、人類以外の動物。特に、哺乳類をいう。獣類。とあります。

 今度は、この定義からすると、金魚や昆虫は駄目となります。しかし、動物の定義として人類以外の動物とは、意味がわかりそうでわかりません。

 しかし、一般的な許容範囲として、金魚やカブトムシはオッケーだと思われていると思います。だとしたら、犬を飼うのも同じだと思ったのです。

 つまり、何とかして飼えないかと思ったのです。だったら、愛玩を目的としないならいいのだろうか(番犬)等々。

 しかし、やはりあきらめました。ペット言えばやはり犬、猫のことを指しているのは間違いありませんので。

 話はずれましがたが、どうしてこれほどまでに犬を飼いたいのかというと、小さい頃に柴犬を飼っていたからです。

 元々父親が犬が好きで(狩猟をやっていた)、自分が生まれる直前まで、狩猟用のポインターが二匹もいました(かといって別にお金持ちではありません)。

 そして、やってきた柴犬は、誕生日のお祝いとしてくれたのですが、犬の散歩とその身の回りの世話が私の担当になりました。

 しかし、父親が気性の荒い狩猟犬を2匹も飼っていたわりに、この新しくやってきた柴犬に対してはまったく躾をしなかった(その理由はあとでわかるのですが)ため、成長するにつれて、幼い自分のことなど何も聞かない、わがまま犬になってしまいました。

 散歩になると、リードを引っ張っぱりまくる。行き交う犬には必ず喧嘩をふっかける。帰りたくないとだだをこねる。放し飼いにすると命がけで脱出しようとする。庭木をかじりまくる等、やりたい放題でした。

 妹はそんな暴れん坊の柴犬に恐れをなして、ほとんど近づきもせず、母親も元々犬には関心がなく餌をやるだけでした。

 そして父親は、週末に近くの山に連れて行って放し飼いにして遊ばせるだけで相変わらずしつけはしませんでした。

 犬小屋は適当に作ったぼろ小屋で、誰も片付けないので周辺はいつも糞だらけでした。

 フィラリア(蚊が媒介するペットの病気)の注射なども打っておらず、今思うと、まったくだめな飼い方でした。

 その中で、私は学校にあまりなじめず、放課後はほとんど家にいたこともあって、家の中ではこの犬と二人だけ(両親は共働きで妹は部活で大忙し)の時間がとても多くありました。

 私が学校から帰ってくると、暴れん坊の柴犬も、小屋の中から眠そうに出てきて、しっぽを振りながら近づいてきます。そして、舌を出して顔中舐めてきます。

 そして私は、学校でのつらかったことを、しばらく独り言のように犬に話しかけるのです。それが日課になっていました。話しながら涙が溢れたことも何度もあります。

 つまり、その犬は家族にとって暴れん坊で、聞き分けのない犬でしたが、私にとっては唯一の友達だったのです。

 そんなある日、他の家の犬のように、この犬にお手とかお代わりを教えようと思いつきました。

 そしてわずかにできるようになったので、父親に見せたところまったくの無反応でした。そして、たった一言「犬は遊び道具じゃない」と言われたのです。
 その時は、まったく意味がわかりませんでした。

 この柴犬が死んでからしばらくして、父親に聞いたことがあります。どうして、きちんと、しつけたり訓練したりしなかったのかと。

 すると、答えはこうでした。「自分は狩猟を趣味としてやっていたが、残酷に思うようになって辞めた。飼っていたポインターには狩猟のためにかなり厳しくしつけた。
 確かに言うことを聞く従順な犬になった。けれど、いつも飼い主の顔色をうかがうような、どこか窮屈そうな性格になってしまった。
 だから、新しくやってきた柴犬は、何もしつけないようにしようと思った。ただ家の中にいててもらうだけでいいと。
 そして、糞や、フィラリアも気になったが、おまえには面倒な家事の一つだと思って嫌々やってほしくなかった(これは後付けの理由かもしれませんが)。
 愛情を感じるなら自然に片付けるようになるのだろうと期待していた。しかし、最後までやらなかったが」と。

 その犬は、当然のようにフィラリアに罹患して、通常の柴犬の平均寿命よりはるかに短い生を終えてしまいました。

 死んでからとても反省しました。早く死なせてしまったのは、すべて自分のせいだと。一方的に友達と思うだけで、飼い主ではなかったと。

 しかし、それから時が流れて、どうして今、犬を飼いたいのかというと、もちろん可愛いからというのもありますが、もう一度ちゃんと犬を飼うことで、短い命で死なせてしまった、あの暴れん坊の柴犬に対する償いが少しは出来る気がするのです。それと同時に、唯一の友達だった彼に対する、自分なりの恩返しを。

 もちろん、飼う犬が、かつての犬が生まれ変わった犬とは思いませんが、改めて飼うことになる犬が、健康で楽しく一生を過ごしてもらえれば、少しは後悔の念が薄まるような気がします。

 この柴犬の名前は家族で考えすぎて、結局は親戚が飼っている犬と同じ名前にしてしまった仲村でした。
 ではまた 

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